魔物好きな女

2010年6月20日(日)
【父の日に兄貴が帰還】



いまさっき
おかんから電話で


おかんは昨夜は夜中に目が覚めて起きた。時計を見ると3時※兄貴が死んだ時間


おかんはベッドに寝ていて頭は廊下が見える位置、襖はいつも開けっ放しにしてあるので勝手口が丸見えである。勝手口、トイレ、風呂、台所、リビング、おかんの寝室、南側に和室二つがある。


おかんは眠れないので寝室にある小さいテレビでも見たらサッカーのニュースでもやってるかな?と手を伸ばした瞬間


勝手口が開いた

※勝手口は毎晩鍵をするから開くわけはないのだが

玄関はぐるっと回り込むのでお客様以外はみな道路から近い勝手口から出入りするのだ。




「ただいま」


とやって来たのは兄貴だった!


おかんはびっくりして兄貴を見ていたら兄貴は濡れて水滴が滴る新聞紙に包んだ何かを電話台の下に入れたそうだ。


おかんは

あの子はあんなに水が滴ってるのに何故電話台の下に?



あの子は死んだはずなのに?




なんて思いながら兄貴の行動を見ていたそうだ。

兄貴は以前のままの健康な時の姿で白いTシャツに半ズボンをはいていたそうだ



そうしておかんのほうには来ず、隣に建っているおかんの実家のおじ宅のほうを見ていたそうだ。

※今東京の従姉妹ふたりと、従弟が帰省している。アタシもお土産持って久しぶりに会う従姉妹たちと話した。そして前のおじ宅の方向へ二、三歩、歩いたかと思うとすうっと消えたそうだ。


おかんも幽霊とはわかっていたが、あんなにはっきりと見たのは初めてだったと興奮気味に電話してきたわけだ。


昨日は亡くなった父の日だったから一日早く仏壇に奮発したメロンを飾ったのよ


よかったわぁ


たとえ、幽霊でも兄貴に会えておかんが嬉しそうだったので泣けてきた。


おかんは念の為に勝手口の施錠を確認し、電話台の下も見たが、濡れた新聞紙の包みは無かったそうだ。


おかんは真夜中に仏壇に手を合わせた。


あの子は律儀だから「父の日」に帰って来たんだとおかんが言った。


ついでに従姉妹たちに会えて嬉しかったのだろう


※そういえば夜中の3時にアタシも起きていて日記書いてる時に何かゆらゆらしたものを見たのよ。最初は猫かな?なんて思ったけど※猫は空中を歩きません。


兄貴だったか?父だったか?













不思議な梅雨の晩の怪談








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